もっとも身近なピアニスト

第1回目 安曇野初のピアノリサイタル

2002年3月21日 

きっかけは、音響設計の永田 穂先生が素晴らしいピアニストがいるんで、是非、あづみ野コンサートホールにお呼びしてコンサートを開きたいと、ベーゼンドルファーの福田さんを通じて申し出がりました。
当日は、全国的に春一番が吹き荒れる天候で、JRの中央線も小淵沢駅で強風のため電車を走らせる風速の許容範囲を超えたために停車せざるをえない状況でした。停車時間が4時間を越えて開演に間に合うか間に合わないかのぎりぎりの選択の時間に迫ってきました。
調律士の福田さんの奥様が決断をし、小渕沢駅まで迎えに行こうということになりました。ナビゲーターに筒井一貴さんが助手席に座り、一路目指すは小淵沢駅・・・・・・。
当日、松本市の浅間温泉付近で山火事があり多くの木々を消失してしまったこと。原因はお寺の墓参りの線香が原因だった聞いております。翌日の新聞では消失面積は25ヘクタールとのことでした。そんな、天候の荒れ狂う中にコンサートが出来るのかと、はらはらどきどきの時間は長く感じられました。
さて、コンサートの開演時間は18:00です。残り時間はあと、3時間あまりです。果たして間に合うのか、17:10にホールに到着。奇跡的に道路はすいておりスムーズに帰って来れたとのことでした。到着するゆっくりと息つく間もなく、リハーサルに入り、それも30分足らずの時間であったと記憶しています。充分な練習の時間のないままに、いよいよコンサートの始まりです。当日は、ホールがオープンするまでにお世話になった、アルピコ建設、小川原設計、小川原塗装店、永田技研の協賛もあり、ホールはほぼ満員の中で始まりました。
ピアノの特徴も把握する時間もあまりない中、リハーサルで掴まれた感覚というか、当ホールのベーゼンドルファーをこんなに素晴らしい音色と最高の雰囲気で弾いて頂いたピアニストは始めてでした。

参考に当日のコンサートのプログラムを紹介したいと思います。


モーツァルト
グレトリーのオペラ「サムニウム人の結婚」の合唱曲「愛の神」による8つの変奏曲へ長調K.352(374C)
ベートーヴェン
ピアノソナタ 第17番 ニ短調 作品31の2「テンペスト」
〜休憩〜
リスト 「巡礼の年第2年イタリアから」から「婚礼」「ペトラルカのソネット第47番」
「詩的で宗教的な調べ」から「葬送曲」「二つの伝説」
第1曲「小鳥と語るアッシジの聖フランシス」
第2曲「波をわたるパオラの聖フランシス」

2002年3月22日(金)10:00 
「モーツァルトをもっと知りたいあなたへ」
ピアノとお話し:久元 祐子 
主催: あづみ野コンサートホール
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プログラム
モーツァルト:幻想曲 ニ短調 KV397
J・S・バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻より 第1番 ハ長調
モーツァルト :クラヴィーア・ソナタ ハ長調 KV545 第1楽章
モーツァルト:ロンド イ短調 KV511 (抜粋)
モーツァルト :クラヴィーア・ソナタ ヘ長調 KV332 第2楽章
モーツァルト :グレトリーのオペラ「サムニウム人の結婚」の合唱曲「愛の神」による8つの変奏曲 ヘ長調 KV352
モーツァルト :クラヴィーア・ソナタ イ長調 KV331 
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